MSC CoSim マルチフィジックスシミュレーションソフトウェア
実現象により近い結果を求め、解析精度の水準を向上
MSC CoSim
ほとんどの企業において、CAEによる解析は機能や分野ごとにチームが分かれており、それぞれが独立した活動を行っています。しかしながら、製品の性能や安全性、信頼性といった要素は、それぞれの物理現象間の相互作用によって、大きく左右されます。
初期のNASAの月面着陸プロジェクト以来、50年以上の歴史を持つMSC Softwareは、世界中のエンジニアにワールド・クラスのCAEによるCo-シミュレーションのソリューションを提供すべく努めてきました。
多様な物理現象を総合的にシミュレーション
複数のソフトウェアを連携するCo-Simulationでは、構造解析、機構解析、熱流体解析、音響解析、制御解析、電磁場解析等の複数の物理現象を同時に考慮したシミュレーションが可能であり、より高精度な解析結果、より本質的な知見をエンジニアにもたらします。
Co-Simulationのメリット
VolvoのEndurance Attribute and Chassis CAE部門のTechnical Expertは以下のように述べています。
「従来の解析手法にとらわれることなく、Co-Simulationを活用して素早く簡単に複数の設計案を検討することにより、性能要求を満たし、かつ燃費向上の為に軽量なサスペンションを設計することが可能となりました。」
Litens Automotive Group チーフエンジニアは以下のように述べています。
「合理的な時間で合理的な成果を得る、というのが当社の指針ですが、90%の計算時間短縮、高度な非線形解析による設計の最適化を実現したAdamsとMarcのCo-Simulationは、この指針を十二分に満たしています。 このような技術は大きな利益をもたらしますし、もちろん私たちが製品開発をする上でも欠かせません。テクノロジーの発展のためにMSC社と協力できることを誇りに思います。」
MSCのCO-シミュレーション技術
解析の種類に応じて、MSCソリューションを2つの方法で利用することができます。 すなわち、複数の物理を同時にモデルに適用するCo-シミュレーションと、1つの解析が終わったらその結果を次の解析に渡す、チェーンシミュレーションです。
1. MSC CoSimエンジン
MSC CoSimエンジンは、マルチフィジックスのフレームワークを用いて、異なる解析分野のソルバーを連成するためのco-シミュレーションインターフェースを提供するために開発されました。現在リリース中のバージョンでは、Adams-Marc、Marc-scFLOW、Adams-scFLOW間、さらにMarcを中心としたAdams-Marc-scFLOW間でのco-シミュレーションを実行できます。
2. その他のソリューション
MSCでは、CoSimエンジン以外のCo-シミュレーション手法をサポートしています:
Function Mock-Up Interface(FMI)、Adams Marc Co-Simulation(ACSI)など
3. チェーンシミュレーション
チェーンシミュレーションによって、異なる分野のシミュレーションを順次統合し、全体的なシミュレーション精度を向上させることができます。たとえば、Adams Full Vehicle解析から得られた荷重をMSC Nastran モデルに適用して、応力や耐久性の解析を行うことが可能です。
MSCのCO-シミュレーション適用事例
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流体解析+機構解析
航空機の主翼におけるフラップの展開
横風による車両ダイナミクスへの影響
冠水走行
ドラム缶のスロッシング
橋の下を流れる材木
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流体解析+構造解析
直交流状況におけるフレキシブルプレート
旗竿についた旗が風になびく様子
タンクの開口部のバルブ
流体の力により歪むダイヤフラムバルブ
流体-構造相互作用を利用した船舶プロペラシミュレーション
揺動する平板に当たる水の噴流
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機構解析+構造解析
障害物による車両バッテリーの傷
ワイパーブレードのメカニズム
縁石にぶつかるバギー
成形プロセスシミュレーション
非線形ブッシュを用いたサスペンションシステムのシミュレーション
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機構解析+制御
産業用ロボットの制御アルゴリズムの検証
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機構解析+交通環境
ADASと自律走行シミュレーション
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流体+1Dシミュレーション
1Dシステムモデルと詳細な燃焼ガスシミュレーション
1Dシステムモデルと詳細な水冷3Dシミュレーション
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機構解析+構造解析+音響解析
ギアボックス/トランスミッションシステムの騒音予測
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流体+音響解析(流体騒音)
排気系の騒音対策