Adams machinery

機械的な駆動システムに適した強力なシミュレーションスイート

運動、構造、駆動、制御などに関する複雑な相互作用について評価と管理が可能になり、性能、安全性、快適性を目標に製品設計を最適化できます。

 

機械コンポーネントとシステムの機能上の仮想プロトタイプを設計サイクルの早い段階から構築するので、物理的なプロトタイプを構築するより前に一連の仮想テストを実行できます。この新しいソリューションを利用すれば、機械メーカーはプロトタイプを少なくし、設計サイクルを削減して短い時間で機能仕様を満たせるようになります。

Adams/Machineryは、Adams/View環境に完全に組み込まれます。複数のモデリング効率向上のためのモジュールが含まれ、汎用的な標準Adams/Viewモデル作成機能だけを使うよりもはるかに短時間で、よく使う機械コンポーネントを作成できます。

 

 

使いやすさ

リボンスタイルのインターフェースとモデルブラウザを採用し、Adamsは初めてのユーザーでも完全で正確な機械モデルを作成できるくらい簡単になりました。コアパッケージ(Adams/View、Adams/Solver、Adams/PostProcessor)では、主なCADシステムのほとんどから形状をインポートすることも、あるいは機械システムのソリッドモデルを最初から構築することも可能です。システムの構築方法も、物理システムの場合と同様です。つまり部品を作成して組み立て、それをジョイントで連結し、モーションジェネレータと力で駆動します。

高い生産性

Adams/Machineryを使用すると、形状の作成、サブシステムの連結といった処理の自動化を介してプリ処理がガイドされ、一般的な機械コンポーネントをユーザーが作成できます。一方、一般的に必要とされる出力チャネルに対して自動的にプロットしレポートすることで、ポスト処理も支援されます。

「Adamsのモデルはその後、詳細なパラメータ探索を実行してギア共鳴の原因と対策を突き止めるために利用されています」

Achates Power マネージャ、Christina Exner氏
  • ギアモジュール

    ギア(Gear)モジュールは、システムパフォーマンス全体でのギアペア(例えば、ギア比、バックラッシュ予測)の設計と動作の影響を予測するエンジニア向けに設計されています。

    • 平歯車(内歯/外歯)、はすば歯車(内歯/外歯)、べベルギア(ストレート/スパイラル)からギアタイプの選択が可能
    • 実際の動作中心距離および歯厚に基づいて、バックラッシュを検討するための接触モデリング法の適用
    • 遊星ギアウィザードを用いた、遊星ギアセットの作成
    • ポストプロセッサでギア特性の出力の生成
    • 設計検討を行うための基準として、自動化されたモデルパラメータ化の使用
  • ベルトモジュール

    ベルト(Belt)モジュールは、システムパフォーマンス全体でのプーリー-ベルトシステム(例えば、伝達率、引張りと荷重予測、コンプライアンス検討、またはベルトダイナミクス)の設計と動的挙動の影響を予測するエンジニア向けに設計されています。

    • Vリブドベルト、歯付きベルト、および平ベルトからベルトタイプの選択が可能
    • 回転軸が全体座標のひとつに平行である場合、セグメントとプーリー間の接触力を解析的に計算するために、2Dリンクモデリング法を適用
    • プーリーの位置および形状パラメータを定義するために、形状設定を使用
    • 余分なたるみを取り、ベルトのルーティングをコントロールするために、ベルトシステムにテンショナープーリーを適用
    • ベルトシステムの任意のプーリーに力または運動を適用するために、アクチュエーションウィザードを使用
  • チェーンモジュール

    チェーン(Chain)モジュールは、システムパフォーマンス全体でのチェーンシステム(例えば、ドライブ比、引張り、接触力、またはチェーンダイナミクス)の設計と動作の影響を予測するエンジニア向けに設計されています。

    • 詳細なモデル表現オプションは、次のとおりです。
    • ローラーチェーンおよびサイレントチェーンからチェーンタイプの選択が可能
    • 回転軸が全体座標のひとつに平行である場合、リンクとスプロケット間の接触力を解析的に計算するために、2Dリンクモデリング法を適用
    • ローラーチェーンに線形、非線形、またはアドバンストコンプライアンスを適用
    • チェーンシステムにピボット、並進、または固定ガイドを適用
    • チェーンシステムの任意のスプロケットに力または運動を適用するために、アクチュエーションウィザードを使用
  • ベアリングモジュール

    ベアリング(Bearing)モジュールは、システムパフォーマンス全体での転がり軸受の設計と動作の影響を予測するエンジニア向けに設計されています。これは、内部寸法、オフセット、ミスアライメント、およびクリアランスを厳密に考慮したベアリング剛性の正確な表現を含みます。

    • 14種類の転がり軸受タイプから選択が可能
    • 直接、24,000種類以上のすぐに使えるベアリングおよび/または入力値からベアリングパラメータ値の検索が可能
    • 必要に応じて非線形剛性応答(MSC SoftwareのパートナーであるKISSsoftによる組み込みテクノロジ)を活用して、ベアリングの反力を計算
    • 120以上の油やグリースに基づくベアリング潤滑剤から選択が可能
    • 荷重、潤滑剤、速度、およびベアリング形状を厳密に考慮した業界標準に基づいて、ベアリング寿命(指定されたシミュレーション条件下で)の予測
  • ケーブルモジュール

    ケーブル(Cable)モジュールは、エンジニアがケーブルベースの伝達システムのモデル化と解析を容易に行えるように設計されています。モジュールのハイライトは、次のとおりです。

    • ケーブル振動およびケーブル張力を正確に計算する
    • 疲労解析を行うために、プーリーの荷重履歴の予測
    • システム荷重負荷時のケーブル滑りの影響の解析
    • システム出力速度におけるケーブルコンプライアンスの効果の検討
    • システムからケーブル長さの追加と除去におけるウィンチ(巻き上げ)効果の検討
    • 寸法、接触パラメータ、材料におけるプーリー特性の定義
    • 正確なケーブル出力を得るために、プリロード、密度、ヤング率、剛性係数および減衰係数の定義
  • 電気モータモジュール

    メカ機構の回転変動を予測する場合、実機計測した回転角度や角速度を可動部品のジョイントに与えたり、ユーザ独自に作成した駆動トルクの信号を駆動部品に与えていました。Adams/Machineryのモジュールに新たに追加された「電気モーター」は、より実機に近い回転変動を再現するために、一般的な電気モータの特性を定義できる機能を搭載しています 。

    • 代表的な電気モータの種類を模擬したモータの特性式や外部の制御回路ソフトのを用いた電気モータを作成することが可能です。
    • 選択できる特性式として、ブラシ付きDCモータ(直巻モータ/分巻モータ)やブラシレスDCモータ、ステッピングモータ、交流同期型モータがあります。
    • Easy 5もしくはMATLAB Simulinkによって作成したモータモデルは外部システムとして組み込むことが可能です。
    • メカ機構に適切なモーター出力量を検討することができます。
    • メカ機構システムに対するモータのトルク変動を予測することができます。
    • 精密機器の角度制御を再現できます。
    • 実機に近い駆動部への入力信号を機械部品に与えることができます。
  • カムモジュール

    新しいAdams Machineryのカム(Cam)モジュールには、カム-フォロワーシステムを作成するための様々な機能を搭載しています。対象となるシステムは、カム形状、フォロワーの動き、フォロワーの配置、フォロワーの形状の様々な組み合わせから構成されます。

    • 従来よりも短時間でカムモデルを作成できます。
    • 機構の動きやカムプロファイル設計の変更が容易にできます。
    • 様々なカム形状に対応しています:ディスク、円筒(バレル)、片面溝
    • 既存のフォロワー変位からカムプロファイルを作成します。
    • 時刻ベース、もしくはカム角度ベースでフォロワーの動きを作成します。
    • 加速度あるいはジャークを最小化・最大化するためのモーション関数最適化機能を備えています。