Alstom社での非接触式測定

すべてのミリメートルが重要なとき:ALSTOM社での3次元検査

Alstom社での非接触式測定

ドイツのザルツギッターにあるAlstom社は、鉄道向きソリューション一式の有数の大手サプライヤであり、モーター装置、貨車、および機関車だけでなく、最先端の制御システムや測定装置も供給しています。フロントFRP (Fiber Reinforced Plastic:繊維強化プラスチック)フードおよび車両裏張りの生産において、装着精度を向上させるため、Alstom社は、AICON社製の非接触式測定装置DPAを活用しています。Alstom 社は、特に、同装置の無制限の移動性、および柔軟な適用可能性を高く評価しています。


DPA-万能問題ソルバー

Alstom社は、DPAの適用領域を未だ正確には定義しておりません。実際、同社は、非接触式測定装置をさまざまな測定作業に使用しています。FRP品質マネージャのオラフ・ヅーデン(Olaf Duden)氏が肯定するように、「そして、新作業は、前からの引き続きのように思われます」しかしながら、工場のすべての測定は、1つの共通要素を持ちます。測定は、移動不可の非常に大型のコンポーネント上で実施されているということです。

DPA-万能問題ソルバー たとえば、Alstom社は、ワイパーとヘッドライトを覆うフロントFRPフードのバウシャッターの実際の輪郭を、挿入するウィンドウシールドの実際の輪郭と比較しています。したがって、コンポーネントの組立て前に、空隙部と接合部の精度が保証できます。 

想定できる誤差の発生源を検出するため、測定後のデータがCADデータと比較されます。人の手で作業するため、バウシャッターに関する誤りが、起こりえます。バウシャッターは、非常に高品質な資材FRPでできています。その工程で、作業者は、シングルグラスファイバーのマットをツール形式のある樹脂でラミネート加工します。

同じように、Alstom社は、DPAを活用して、前端側部分の製造に使用されるツールおよびツール形式を測定します。CAD設計データとの比較後、生産現場は、必要な補正に関する正確な情報を迅速に受け取ります。

DPAを適用するからこそ、上述の測定課題が解決されます。オラフ・ヅーデン氏は、以下のように説明します。「DPAに代わるものはありません。当社のコンポーネントおよびツールは移動不可能です。各コンポーネントを測定装置の方へ動かせないため、測定装置の方を、コンポーネントの方に動かさなければなりません。その逆はできません」

DPAは、もう一つの際立った難点を解消します。それは、準備に時間をかけることなく、直ぐに、新しい測定作業に使用可能になることです。「可能性は、無尽蔵です」とヅーデン氏は語ります。「CADデータセットが利用可能になると、直ぐに、測定を開始できます」 さらに、Alstom社では、同装置の移動性を利用して、サプライヤの工場でも、品質管理を実施しています。


非接触式測定装置DPAを用いたワークフロー

検査対象の位置、たとえば、前端の特定部分が、受入レポートに従って、測標により標識を付けられます。 

このため、Alstom社では、オペレータが、ソフトウェアモジュールCodeMakerを援用して、生成、印刷する紙製の測標を使用しています。したがって、消耗品コストは、最小限に抑えられます。一般的ルールによれば、各単体コンポーネントの測定点の個数は、その複雑さに従属します。コンポーネントの管理対象部分には、ボアホールと層の構造、形式、および位置が含まれます。 

一般的ルールによれば、各単体コンポーネントの測定点の個数は、その複雑さに従属します。コンポーネントの管理対象部分には、ボアホールと層の構造、形式、および位置が含まれます。

次の手順では、測定対象のフロントFRPフードの写真が、高解像度デジタルカメラを使用して、多くの方向から撮影されます。 

続いて、DPAが、フォトグラメトリ解析を援用して、測定点の3次元座標を自動的に計算します。その後、同装置は、その座標を、作業対象物の座標系に直接転送します。CAD解析用ソフトウェアにおいて、対象資材の厚さによって補正された前端の実際の座標が、CAD形状データと比較されます。表面構造に対する単点のずれの解析に加えて、ベアホールの実際位置だけでなく、プッシュ層の方向および均一性も計算、比較できます。解析は、DPAに自動生成される重要レポートの作成で終了します。手作業でレポートを作成する必要がなくなりました。


非接触式測定装置DPAは一定の測定時間を保証します

大型コンポーネントの測定が、より多くの測定イメージや点を必要とするにもかかわらず、DPAの純測定時間は、一定です。結果として、あらゆる非接触式測定が、同一時間で済むため、Alstom社は、測定期待時間の正確な推定を可能にする一部の経験則を廃止しています。これにより測定作業の時間が簡単に算出でき、最終的には効果を上げることができました。