Hexagonの金型設計用CAD/CAMソリューション
樹脂成型金型とプレス成型金型の設計・製造のためのCAD/CAMを使用することで品質の確保を可能にします。
樹脂成型金型とプレス成型金型の設計・製造の精度の向上
データを活用し金型設計の精度を向上させ、より高品質な製品づくりを実現します。
【CAD/CAM】について
NC・CNC装置を搭載した工作機械の加工プログラム作成の効率化を考え、「CAD/CAM(キャド/キャム)」の前進となる自動プロ(自動プログラミング装置)が市場に投入され40年以上が経過しました。当初は単純な旋削加工、フライス加工だけであったものが、複雑な加工形状、複雑な軸構成の工作機械へ対応できるまでに進化しました。
CADにおいて3DCADの利用が始まると、CAMにおいても3DCAD/CAMが発表され、3次元モデルを利用した複雑な形状を加工するプログラムの作成が可能となりました。国内では、一般的にこの3DCAD/CAMのことを「CAD/CAM」と呼んでいました。
近年では工作機械や切削工具、治具等の機能向上はますます進み、また、加工現場もその工作機械をうまく使いこなすために様々な切削手法を熟慮してきました。CAD/CAMもそれらに追いつくように進化し、CAD/CAMはメーカーが提供するソフトウェアはそれぞれの特徴を持つようになりました。
CAD (Computer aided Designe)とは
CADとは、「Computer- Aided Design」の略称であり、日本語では一般的に「コンピュータ支援設計」と訳されます。つまり、コンピュータを利用した設計であり製図を行うツール(ソフトウェア)を指します。CADの利用により、ドラフターを利用した製図からコンピュータ上での製図に変化していきました。
CADには大きく分けて、「2D(2次元)CAD」と「3D(3次元)CAD」の2種類があります。2DCADは一般的によく見る図面を作成するCADであり、3DCADはその名の通り製品を立体的に設計します。2D、3Dそれぞれに用途が異なり、それぞれの利点があるため、どちらが優れているということはありません。
CADは現在、機械、工業、土木、建築、電気、服飾など様々な分野で利用されおり、それぞれの分野での特性に合わせた機能を持ったソフトウェアが存在します。
・2D CADとは
2DCADとは、CAD(Computer- Aided Design)の1種であり、製図作成をメインに利用するツール(ソフトウェア)です。
ドラフターによる手書きで正面図、側面図、上面図と3面図を立体形状で表現していた方法から、コンピュータを活用してこれらの図を作成できるようになりました。2D CADは、図面を理解する側も作成する側も、多くの知識と技術を要する必要があります。
・3D CADとは
<2DCADでは、立体形状を3面図を利用して表現するため、形状を自体を作業者の頭の中で立体化する必要がありました。その立体化は、特定のノウハウや経験を要求するものでした。そのような中で、立体形状(3D形状)を直接コンピュータ上で表現できる機能を備えたCAD(Computer-Aided Design)が登場し、それが3D CADとなりました。3DCADの登場により、2DCADでは再現が難しい曲面形状も再現可能となりました。この結果、立体形状自体を表現することが、図面を理解する側も作成する側も、比較的容易になるという利点が生まれました。
CAM (Computer aided Manufacturing)とは
CAMとは、「Computer-Aided Manufacturing」の略称であり、日本語では「コンピュータによる製造支援」と訳されます。NC(Numerical Control「数値制御」)を搭載した工作機械(NC工作機械)向けに、NCプログラムやNCデータと呼ばれる加工プログラムを作成するコンピュータソフトウェアのことです。
NC工作機械は作業者がテキストコードを入力して工作機械を自由に動作させることが可能です。しかしながら、複雑な形状になるとどうしても作業者の能力だけではテキストコードを作成することが難しくなります。そこで、複雑な加工プログラムをコンピュータを利用して作成する専門のソフトウェアとして、CAMが誕生しました。一般的なNC工作機械は、モノを削り出す加工(切削加工)機能を備えています。それに応じて、CAMソフトウェアも切削加工を行うための様々な機能を有しています。NCを搭載するフライス盤やマシニングセンター、同時5軸マシニングセンター、旋盤、複合旋盤、ワイヤー放電加工機、レーザー加工機など様々な工作機械向けに、専門性の高い機能を有したCAMソフトウェアが存在します。
・2D CAMとは
一般的には、2D CADデータと組み合わせたCAMソフトウェアのことを指します。2Dとは、CADの世界ではX軸(横軸)とY軸(縦軸)によって表される平面空間を示し、その平面図形に切削条件と呼ばれる切削工具の選択やその工具の加工条件、平面図形に奥行きをつける加工深さ指令などを設定し、切削加工プログラムを作成します。
・3D CAMとは
3D CADモデルを対象に加工プログラムを作成するCAMソフトウェアのことを指します。3D CADでは、モノを立体的に表示することができ、そのままNC工作機械を利用して、削り出す切削加工プログラムを作成することが可能です。特に、曲面形状の加工プログラムを作成できるCAMソフトウェアだけを、3D CAMと呼ぶこともあります。
CAD/CAMソフトウェアを活用する5つのメリット
CAD/CAM、特にCAMを利用するメリットは数多くあります。
・複雑な形状を加工する加工プログラムが作成可能
加工プログラム自体は、作業者が考え作成することができます。しかし、形状が複雑になると、作業者がどれだけ深く考えても、作成することができない場合が多くあります。そのような時、CAMの活用により、複雑な形状の加工が可能になります。
・短時間で加工プログラムが作成可能
CAMを利用することにより、手作業で作成するプログラムよりも短時間で作成することができます。過去に作成した加工プログラム手順などをCAM側に覚えさせることによって、形状によっては自動または半自動で加工プログラムを作成することも可能になります。
・複雑な工作機械向けの加工プログラムが適切に作成可能
近年、CNC工作機械の構造はますます複雑化しています。これにより、一度の段取りで複雑な形状を削り出すことが可能になりました。しかしその反面で、加工プログラムの構成が複雑化し、工作機械内での様々な干渉が発生しやすくなりました。CAMを利用することにより、作業者はこれらの問題を回避することができます。
・間違いの少ない加工プログラムが作成可能
作業者が手作業で加工プログラムを作成すると、コード入力や座標入力などの単純作業でも間違いが発生しやすくなります。CAMを利用することにより、そのような間違いが発生することを防ぐことができます。
・CADデータの2次利用が可能
設計段階で利用したCADデータを利用して、加工プログラムを作成することができます。そのため、図面からプログラムを作成するよりも、簡単で間違いの少ない加工プログラムを作成することが可能です。
CAD/CAMに関する重要キーワード
CAD/CAMとは
CAD機能とCAM機能の両方の機能を1つのアプリケーションに搭載したソフトウェアを指します。一つのソフトウェアで両方を扱えることにより、CADデータを直接CAM作業へ移行したり、CAM作業中にCADに戻って作業を続行したりすることが可能となります。
CAD機能においても、CAMでの作業を容易にするための機能を多く含んでいる場合があり、CAM作業の単純化を進めることが多くあります。
近年では、多くの設計部で2D CADや3D CADを利用されており、設計部ごとにメインとなるCADソフトウェアが選ばれています。CAMでは、それらのソフトウェアから出力されたCADデータを受け取り、作業を進めていきます。この結果、CAD/CAMのCAD機能でモデルを修正し、CAM作業を行うようなケースが増えてきています。
NC プログラムとは
一般的に、NC(Numerical Control : 数値制御)及びCNC(Computer Numerical Control : コンピューター数値制御)を搭載した工作機械用の加工プログラムのことを「NCプログラム」と称します。「Gコード」や「Mコード」と呼ばれる複数ある機械動作コードと、XYZなどの位置情報を組み合わせて、テキスト情報で利用可能となります。これらはテキストコードであるため、作業者が手作業でNCプログラムの作成をすることができます。CAMを利用することにより、手作業をコンピューターで補うことができます。
切削加工とは
切削工具を利用して加工対象物を削り出す加工のことをを指し、除去加工と言われることもあります。金属やプラスチック、木材への加工も対象になるため、ノミや鉋も切削工具に含まれます。
CAD/CAMを利用範囲での切削工具とはエンドミルやドリル、旋削バイト等が対象となり、CNC工作機械上で動作する対象物の除去作業が対象になります。
CNC工作機械、NC工作機械とは
NC(Numerical Control : 数値制御)及びCNC(Computer Numerical Control : コンピューター数値制御)を搭載した工作機械のことを指します。NC(CNC)は、「Gコード」及び「Mコード」と呼ばれるプログラミング言語(コード)と、XYZなどの位置座標を組み合わせたNCプログラム(加工プログラム)を読み込むことにより、自在に工作機械の可動域を自在に動作させることができます。
工作機械には加工対象物の素材となる材料と削り出すための切削工具が用意されており、切削工具が素材から加工対象物を削り出すための加工動作をNCプログラムとして準備し切削加工を行うことができます。
【Hexagonの製品・ソリューション・CAD/CAMソフトウェアの取り組みについて】
現在、CAD/CAMは様々な製造分野や加工製品向けに開発され販売されています。Hexagonは複数のCAD/CAMプロダクトを所有し、独自に分野をカテゴライズしてお客様に対し最善のプロダクトを提供しています。
・Hexagon Mould & Die
金型製造のお客様向けにプラスチックや順送プレスの3D設計や樹脂流動シミュレーション、板金スタンピングの利用提案をすると共に、小型から大型金型のCAMプログラミングの活用提案を行っています。
・Hexagon Production Machining
部品製造のお客様向けに、プロセスの最適化やワークフローの自動化などの提案を行います。また、複合加工機や自動旋盤などの部品製造に特化した工作機械のプログラミングに対しても提案しています。
・Hexagon Sheet Metal Fabrication
板金製造のお客様向けに、2Dデータでのネスティング設計から3Dデータを利用した5軸レーザー加工機向けのプログラミングまで、包括的な利用の提案を行っています。
・Hexagon Wood, Stone & Composites
木工や石工のお客様向けに総合的な提案を行うことができるソリューションです。リアルなレンダリング設計から5軸加工機でのプログラミングなどを行うことができます。
・Hexagon Additive Manufacturing
金属積層を行うお客様向けに、PBFやWAAMを可能にするプログラミング作成、PBFでの部品製造に必須となるサポートパーツ設計の提案が可能です。オールラウンドでありながら、エキスパートなCAD/CAM活用提案、お客様が行いたいことを最適なソフトウェアを提供いたします。
HexagonのCAD/CAMソフトウェアの種類について
HexagonのCAD/CAMは、Mould & Die(金型加工)向けプロダクトとして「VISI」、「WORKNC」の2種のCAMを、Production Machining(部品加工)向けとして「EDGECAM」、「ESPRIT」、「ESPRIT EDGE」の3種、Sheet Metal Fabrication(板金加工)向けとして「RADAN」、Wood, Stone & Composites(木工・石工加工)向けに「ALPHACAM」、「CABINET VISION」の2種、Additive Manufacturing(金属積層)ではPBFでは「AM STUDIO」、WAAM向けには「ESPRIT EDGE」の利用を提案しています。
・金型設計製造向けCAD/CAM 「VISI」
「VISI」は樹脂射出成型金型および順送プレス金型用の金型設計機能を有するCAD/CAMソフトウェアです。樹脂射出成型では樹脂流動解析や電極作成機能等を有し、プレス金型用としては3Dモデルから2Dブランクを容易に作成する機能などを持っています。その設計機能と連携させたCAM機能では2D加工から同時3軸~5軸機能までの豊富な加工技術を提供しています。
・金型加工向けCAM 「WORKNC」
「WORKNC」は高いユーザビリティを持つCAD/CAMソフトウェアです。特に金型製造業向けに有効な機能を多く有しています。2D加工プログラムから同時3軸~5軸までの加工プログラムをより少ない工数により作成することができます。また、高効率な加工手法を有しているため、ユーザーによりサイクルタイムを短縮した加工手法を提供しています。
・CAM プログラミングの自動化を促進する 「EDGECAM」
「EDGECAM」は、ミリング加工、旋削加工、ワイヤー放電加工などの部品削り出し加工向けに有効な機能を多く持つCAMソフトウェアです。多品種少量生産時の加工プログラム作成を簡略化させる機能を有しているため短時間で適切なプログラム作成を行うことができます。
・多軸・複合加工向け 「ESPRIT」
「ESPRIT」はスイス式自動旋盤や3つ以上のプログラム系統を所有する複合旋盤向けに有効な機能を提供できるCAMソフトウェアです。これらの工作機械特有の連動して動作するプログラム系統を巧みに操作し、安全で無駄のない加工プログラムを作成することに役立ちます。
・デジタルツイン搭載CAM 「ESPRIT EDGE」
「ESPRIT EDGE」には他のCAMソフトウェアには持っていないデジタルツイン機能を所有しています。利用する工作機械の情報や治具、ホルダ、工具などの情報を正しく指示することにより、ESPRIT EDGEが自動的に問題点を発見し回避することができます。また、工作機械の軸構成を判断し、利用する工作機械に最適な加工動作を生み出すことができます。
・ダイレクトモデリングCAD 「DESIGNER」
「DESIGNER」はHexagonが開発を進めるCADソフトウェアです。CAD作業履歴を持たず形状修正、形状変形を簡単に行うことができるダイレクトモデリング機能を有しています。取引先や開発部門から受け取った3DCADデータを加工に適したモデルへ変更する作業や工作機械上での追加工、門形計測機器上での自動計測に必要となる治具作成にも有効に利用できます。設計ではなく、加工作業者向けに適した機能を多く提供しています。
・CNCシミュレーションソフトウェア 「NCSIMUL」
「NCSIMUL」は、CNC工作機械で加工する前に加工プログラムを事前に検証できるCNCシミュレーションソフトウェアです。お客様がお持ちの工作機械情報をNCSIMUL側に作成し、実際に実機で加工する前に加工プログラムの動作チェックをNCSIMULで行います。これにより、より安全で手戻りのない加工プログラムを実機へ提供できます。また、加工プログラムのチェック時には加工効率を考慮したプログラムへ再構築し、より効率的な加工プログラムへ更新し実加工へ臨むことができます。
・Additive Manufacturing 「AM STUDIO」
金属3Dプリンター向けのソフトウェアです。金属積層での部品製造では必須となるサポート設計やネスティング設計、CAEによる造形形状の事前シミュレーション、そして、積層プログラム出力までの一連の作業をシームレスに、そして、オートマチックに実施します。
HexagonのCAD/CAMソフトウェアの使用事例
最後に、HexagonのCAD/CAMを使用して解決できた事例の一部をご紹介いたします。是非、CAD/CAM導入検討時の参考にしていただけると幸いです。
・Mould&Die 事例:CAMオペレーター育成への貢献
金型製造にとっては、既にCAD/CAMの利用は必須となっている一方で、「CAMオペレーターがうまく育たない」というご相談をよくいただきます。そのような中、お客様が「WORKNC」を選択していただくケースが非常に多くあります。「WORKNC」であれば過去に作成したパラメータ設定を財産として社内に残すことができます。つまり、先任者が構成したパラメータ設定を後任者がそのまま利用することが可能ということです。「WORKNC」であれば、CAM設定に有益な情報を財産として残しながら、後任CAMオペレーターの育成にも対応していきます。
・Production Machining 事例:安全とサイクルタイム削減の両立
稼働効率を考慮した複合加工機の導入のタイミングで、「ESPRIT」や「ESPRIT EDGE」を使ってみたいという声をいただきます。企業様の多くは、すでに他社のCAMソフトウェアを導入し、3軸マシニングセンターや旋削加工機のプログラミングを行っています。しかし、「同時5軸加工を行いたい」や「複合旋盤で2系統同時加工を行いたい」などの意見が社内で出てきた際、効率的な加工プログラミングや機械干渉チェックなどを考慮しながら、加工を行いたいといったご用意を伺います。そのような場合、安全とサイクルタイム削減の両立ができるプログラム作成に最適な「ESPRIT」や「ESPRIT EDGE」を提案しています。
まとめ
Hexagon Manufacturing Intelligence事業部では、お客様の加工製品や利用している工作機械に応じて最適なCAD/CAMを提案いたします。その範囲は、加工プログラム作成前の加工対象3Dモデルの修正から加工プログラム作成後、実加工直前の加工プログラムの安全性の確認から加工プログラムの最適化までを一貫した流れとしてお客様をサポートします。“加工モデルの入手から実加工直前までの作業を、One Stopでお客様へ提案できる” それが、Hexagonのソリューション提案です。金型産業で競争力を高めるためには、品質と効率性が重要な鍵となります。Hexagonのソリューションは、設計から製造までの金型開発プロセスを合理化し、金型と最終製品の両方を正確に製造することを保証し、お客様の競争力を高めるお手伝いをします。
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私たちは自動化曲線に登っています
インテリジェントな自動化への移行は、加速しています。最終的に、私たちの革新は、まだ想像もしなかったような新しいテクノロジーや用途を生み出します。現在、Hexagonのすべてのソリューションは、その自動化レベルに従ってマッピングおよびタグ付けされているため、ユーザーは自律性の自由に対する私たちの進歩を明確に追跡できます。
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レベル 1/ 人による支援:
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一部の作業を自動化し、短時間(または特定の状況下)での自律的な運用を可能にする。
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レベル 3/ 条件付き自動化:
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