光学コンパレータについて

光学コンパレータを支える基礎的技術は優美なほど単純です。

comparatorcleanここに描かれているイラストは、品質管理の研究室や工場現場の担当者には、なじみのあるものに違いありません。これは典型的な光学コンパレータの画です。このイラストから始める理由は、特筆すべき点を証明するためです。

このイラストは、特許#1,903,933,出願May 2,1925の出典です。現代のコンパレータは、85年前からほとんど変わっていないため”なぜまだ残っている?”や、”なぜまだ使っている?”“もっと優れたものはないのか ? ”といった質問が寄せられるでしょう。

コンパレータが85年間ほとんど変わっていない理由は、光学コンパレータの背景にある基本的な技術が優美なほどシンプルで、そのまま機能している為です。光学の背後の物理が変わってないので、コンパレータの唯一のあり得る改良は、光学そのものの品質の周辺です。また追加された特長は、ユーザーがより使いやすくするための工夫です。

 

いかに作動するか?

では、どうやってコンパレータは作動するのか?光学コンパレータの原理の好適な類似点は、学校の古いオーバーヘッドプロジェクタに多少似たところがあることです。スクリーンに映される透明なプラスティックのおなじみの教室の技術を覚えていますか? 事実、実際のオーバーヘッドプロジェクタで基本的コンパレータを作ることができます。

オフィスにまだプロジェクターがあるなら、この小さな実験をやってみることができます。まず、何かの二次元部品をオーバーヘッドプロジェクターの台座の上に置きます。壁にテープでとめた大きな紙に画像を投影します。紙の上に投影された影は、ペンで輪郭を描きます。この輪郭が台の上に後で置かれる物体と比較するリファレンスとなります。もし部品が図面を合わなければ、同じものではありません。このように、あなたのペンで描いた輪郭がコンパレータのテンプレートと同等なのです。実際問題、本当に部品の検査にオーバーヘッドプロジェクタは使えません。ひとつにオーバーヘッドは、固定された動かない位置にあることはまれです。プロジェクターがぶつかったり移動すると、壁にあるリファレンス画像のサイズが変わり、ペンで描いた図面は正確ではなくなります。

品質管理に用いる光学コンパレータの基本的なコンセプトは、オーバーヘッドプロジェクタの考えを利用して、箱なかにすべてを詰め込むことです。よって部品とスクリーン間の距離が固定されて、正確な校正ができます。

コンパレータの基本的概念は、部品が台座に取り付けられ、光源がそれを照らし、部品の影の像がレンズで拡大、ミラーで跳ね返されて、拡大図用にスクリーンの裏側に投影されます。オーバーヘッドプロジェクタの例に近似しています。

既知のレンズによる拡大に基づき、従来的にスクリーンオバーレイや投影された点やエッジ用にクロスヘアーを使用して、測定は直接スクリーン外で行われます。

コンパレータに投影された像のサイズと拡大は、光学とコンパレータそのもののスクリーンサイズ次第です。通常のスクリーンサイズは12〜13インチですが、最大60インチまで作られたことがあります。スクリーンが大きいほど、エンクロージャも大きくなります。理由は、像を“投影する”にはより長い距離が必要だからです。巨大なスクリーンを持ったコンパレータは、基本的に小さな部品を検査するのに使用するほとんど無用の長物です。

コンパレータの長所は、比較的少ないトレーニングで簡単操作でき使い方が分かり易いところです。一番簡単なコンパレータでは、オペレータは、単に部品を取り付けるだけで、ハンドコントロールで動かしてスクリーン上の像を観察するだけです。テクノロジーの進歩、例えば自動計算のコンピュータディスプレイ、測定ポイントの記憶、自動トリガー技術、ステージ移動の改良などのすべてが品質研究室で役立つ機能を発揮し続け、有能なコンパレータに貢献しています。

もし、コンパレータの評判が続いている理由のひとつが基本的な単純さであるとすれば、同時に欠点でもあります。生産部品がさらに複雑化してゆくなか、増える検査形状、ほとんど100%の高いサンプリング率、そのため伝統的な手動コンパレータは、急速に減っています。

Optiv321 視覚をベースにしたこの検査システムの台頭は、手動式のコンパレーターがいくら近代的な性能を備えていても、比較すると古臭くなってしまいます。これは特に部品を大量に、すぐに検査 する仕事の場合に当てはまります。何故なら 視覚ベースのシステムにより、同時に複数の部品を台上に載せることが可能だからです。この視覚システムの自動化機能に加えて、速度と柔軟性でも、はっきりと優位性があります。自動移動の台座や、CADプログラム機能、複数の照明活用機能、3D検査機能が圧倒的に、従来のコンパレーター技術の領域を超越します。多数の小さな部品を台に乗せ、プログラムが自動的に走行している間に持ち場を離れても、サイクル終了時には、部品の良否を教えてくれる機能を想像してみて下さい。今日の視覚検査の強みです。

依然としてコンパレータを選択する理由は何でしょうか?エッジがはっきり定められた2D部品で単発的な仕事であれば、光学コンパレータは、それでもツールボックスに加える重要なツールでしょう。どんな応用技術でも、正しいツールを適切に使う知識は不可欠です。

もしコンパレータを超えた仕事をお考えでしたら、Optiv Classic vision system をご検討下さい。自動検査機能と視覚用PC-DMIS CADを組み合わせてCADモデルからただちにマシンのプログラミングが可能になります。

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