高度なリアリティキャプチャ技術で持続可能性を向上

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デンマークのR3DA 社は、建設事業における合成作業の現状を変革するため、Peter Fisker氏とパートナーのThomas Melsen氏によって2019年に設立されました。従来の方法では、周囲環境をキャプチャするのに同様の精度を得ることはできません。また、レーザースキャナーを使用すれば、タスクを完了するのに必要な時間が大幅に短縮され、より持続可能なものになります。同社は遺産の保存に重点を置き、正確なデータを供給することで、将来の改修計画やその実行をより適切なものにしようとしています。

デンマークには800以上の史跡があり、史跡を保存することでその歴史も保存することが目的です。それは事業のほんの一部ですが、他の事業では、多様な企業や民間不動産のための小規模から大規模プロジェクト向けのB2Bプロジェクトがあります。


適切なハードウェアで建物をスキャンする

 



Leica BLK360 G1を数ヶ月間使用し、屋内の狭いスペースのスキャンを改善しました。Leica RTC360の長距離対応と高解像度により、最高の画質を得ることができる製品の品揃えを増やしました。今回追加されたのは、建物の外側全体をスキャンするLeica BLK2FLYです。新しいハードウェアを使って、R3DAは3つのレーザースキャナー全部からスキャンをオーバーラップさせ、精度と効率性を高め、キャプチャされた点群データから2Dおよび3Dの成果物を作成できます。

新しいプロジェクトを開始する際、最初のステップとして建物とその周辺の概要を把握し、建物をスキャンする最も効率的な経路を決定します。現場では通常、地上での建物の外観のスキャンにはLeica RTC360、空中スキャンにはLeica BLK2FLYを使用します。Leica BLK2FLYでは、自律的に外部スキャンを完了させる飛行経路を作成します。詳細がスキャンされていない場合は、Leica BLK2FLYを手動でそのスポットにナビゲートし、2回目のスキャンを行います。

内部はLeica RTC360とLeica BLK360 G1でキャプチャされます。必要な精度に応じて、お客様のニーズに合わせてレーザースキャナーを切り替えることができます。スキャンプロセスにおいて、 Leica Cyclone FIELDソフトウェアとVisual Inertial System(VIS技術)の組み合わせが有効 です 。これにより、現場の進捗状況を把握し、スキャンされなかったエリアや詳細にスキャンがされなかったエリアがあるかどうか調べることができます。

R3DAのCIOであるPeter Fisker氏は、同社のリアリティキャプチャハードウェアを使って、次のように述べています:「過去の実績と比較すると、 PDF 図面を使用し、そこからモデル化することで、デジタルツインを作成し、より迅速に成果物を作成できるようになりました。」


正確な成果物を作成するための点群データの効率的な処理

 


 

R3DAが建物をスキャンすると、オフィスに戻って点群データをLeica Cyclone REGISTER 360 にインポートします 。そのソフトウェアソリューションで、すべてのスキャンの生データを組み合わせて、建物の完全な点群を作成します。R3DAは手動で点群の許容値を最低限まで下げることで、最高の精度を実現します。最後に、データを更に処理するために使用するソフトウェアと互換性のある形式でファイルをエクスポートします。

点群がデジタルツインとしてエクスポートされると、データを使用して2D図面と3Dモデルを作成することで、建物を視覚化できます。成果物の精度が高いと、クライアントが最も効率的に業務を計画し、コストと時間を節約するのに役立ちます。しかし、メリットはこれだけではありません。成果物が作成されると、将来のプロジェクトに使用でき、現場に再度足を運び、計測を行う必要が殆どなくなります。

Fisker氏が次のように説明しているように、デジタルワークフローによって成果物の品質が向上します:「点群データを使用して成果物を作成し、モデルからあらゆる種類のオブジェクトをエクスポートできます。3DスキャンとLeica Cyclone FIELDソフトウェアの機能を組み合わせることで、人為的エラーが大幅に削減されます。」


Leica Reality Captureの動作

 


 

Egeskov Castleは、 Leica Reality Captureソリューションの可能性を実証するプロジェクトです。城の保険を掛けるために、城主のMichael Ahlefeldt Laurvig-Bille氏は自分の敷地の面積を正確に把握する必要がありました。城は水に囲まれているため、通常のレーザースキャナーで正確にスキャンするのは容易ではありません。BLK2FLYなら、飛行経路を作り、外側から城全体を自律的にスキャンできるため、簡単に作業できました。小さな隠し部屋の数々や塔の最上部のコーナーまで、城の内部は、Leica BLK360 G1とLeica RTC360でスキャンされ、城全体の完全な点群が作成されました。R3DAは、5フロア、4500 m2のスキャンを3日半で完了し、さらに数日でデータを処理し、クライアントに必要な成果物を作成しました。

 


 

もう1つのプロジェクトは、R3DAがファサード切妻の必要な改修工事を決定するためにスキャンしたマナーハウス Hesselagergaardです。Leica RTC360を使用して、建物の外側の正確な点群を作成しました。これにより、石の亀裂を正確に計測し、修復に必要な材料の量を算出することができました。この工事では、改修費用が非常に高額なため、交換しなければならない石の正確な数を知る必要がありました。もしLeica RTC360がなかったら、マナーハウスに足場を組む必要があり、コストがかかるだけでなく、テープを使って計測すると、精度が低くなっていたかもしれません。


リアリティキャプチャソリューションを使用する利点

 


 

建物を計測する従来の方法と比較して、リアリティキャプチャソリューションはより効率的で正確です。これにより、建物のスキャンに必要な時間が約80%短縮され、最終的には顧客のコストが削減されます。建物のスキャン後、必要なデータが全て得られ、成果物は将来のプロジェクトに使用できるため、現場を再訪する必要はありません。それにより、長時間の出張が不要になり、時間とCO2を大幅に節約することができます。作成された成果物により、プロジェクトに必要な材料を正確に計算することが容易になります。材料の節約だけでなく、遺産保存工事の材料は非常に高価なものもあるため、費用の節約にもなります。

Fisker氏は、次のような最も大きなメリットについて言及しました:「従来の方法に比べ、精度、効率、さらには持続可能性を大幅に向上できるため、合成段階で3Dレーザースキャナーに切り替えることは容易に決断できました。キャプチャされた点群データから作成されたモデルを使用することで、建物の所有者、エンジニア、建築家は、同じプラットフォームでコミュニケーションを取り、スキャンから作成された同じデータセットで作業することができます。」