計測支援アセンブリで業務を簡素化

ARGON Measuring Solutionsは、クックスハーフェンにあるSiemens Gamesa社の施設のための画期的な計測支援組立ソリューションの開発において、プロジェクトのカスタムメイドのフロントエンド・ソフトウェア・ソリューションの開発を含め、重要な統合的役割を果たしました。 ARGONの創業者でありオーナーでもあるGeert Creemers氏が、このプロジェクトとARGONの原動力である「コーヒーマシンの原理」について語ってくれました。 

Creemersさん、本日は有難うございます。 さっそくですがARGONとは何でしょうか？ 

私たちは計測のインテグレーターです。つまり、技術的なブレークスルー、ハードウェアやソフトウェアを手に入れて、それを現場で実行可能なソリューションに変えるのです。 コーヒーメーカーのように、ボタンを押すだけで簡単に使えるシステムにしたいと考え、「コーヒーマシンの原理」という造語を作りました。 

私たちは、計測技術が従来のように測定室や実験室での使用に限られるのではなく、製造現場での使用に移行していくと強く信じています。 将来的には、これらのプロセスは、製造プロセスそのものの一部になっていくでしょう。 

これまでは測定室にボックスを販売し、開梱し、トレーニングを人々に提供し、使用を継続するビジネスモデルでした。しかしHexagonハードウェアを知らないか、彼らはSpatialAnalzerあるいは他の計測ソフトウェアに既に精通していないオペレーターによっても使用されるようになってきています。彼らは、ドライバーのように、計測をいわばよくあるツールと見なしています。 したがって、ドライバーのように単純であることを目指しています。 

これが計測技術に投資したいと言う多くの会社のためのビジョンです。 オペレーションが簡単で、かつ生産または組立工程をより正確で、信頼できるものにし、成果をあげるシステムが必要です。これによって投資効率が得られるからです。 

Hexagon の Siemens GamesaのFlexible Stator Assembly Center (FSAC) プロジェクトにはどのような経緯から参加されたのですか？ 

Hexagonチームは、プロジェクトに関してシーメンスガメサと既に連絡をとっていました。また写真測量およびレーザートラッカーソリューションのアイデアを協力して発展させました。 これらのプロダクトが適していることはすぐに理解されたと思います。しかし生産ラインの重要な部分とする必要があります - 写真測量機器およびAbsolute Trackerをただ納品してもうまくいきません。 ソリューションはワークフローに埋め込まれたより大きなプロジェクトの一部となる必要があります。 そこで私たちが参加しました。私たちが他のプロジェクトに一緒に以前に取り組んだHexagonチーム・メンバーは、この種の統合プロジェクトで経験豊富なグループとして私たちを推奨してくれました。 

2018年11月に、Hexagonから電話を受けします。次に、シーメンスガメサとの最初のプレ電話ミーティングを行いました。私たちがHexagonで以前に行った経験が評価されました。 「これはまさに私たちが必要とするもので、いつ納品できるか教えてください」と言われました。 こうした経緯から参加が決まりました。 最初のサイト訪問が行われ、私たちに適したプロジェクトであることを理解しました。 

このプロジェクトはHexagonとのこれまでの協力に基礎を置いていたのですか？ 

過去にもHexagon と何度か仕事をしています。 その一例はフランスのプロジェクトで、飛行機のウィングボックス組立工程を合理化しました。 その際、Absolute TrackerシステムとSpatialAnalyzerを使い、「コーヒーマシンの原理」と呼ばれるヒューマン・マシン・インターフェースを作り、作業員の組み立て工程を誘導しました。 熟練度にかかわらず、わずか2時間のトレーニングを受けるだけで十分に操作に習熟でき、問題なく測定を行えるようになります。 

素晴らしい方法ですね。 オペレーターが必要な仕事の多くは、ソフトウェアが行います。 

例えば、業務では精度チェックのすべての種類を構築する必要があります。 通常は、エラーが起きるとエラーメッセージが表示され、数百のボタンから押すべきかわかりません。 したがって、単純化されたシステムを作ろうとするならば、容易な方法で手順を再設定できるよう、非常に効率的なエラーハンドリングを設定する必要があります。  

シーメンスガメサでチームのFSACプロジェクトはどのようなものでしたか？ 

HexagonとSiemens Gamesaのチームは、3DArena写真測量システムとレーザートラッカーを組み合わせるというアイデアを思いついた後、それが実際には少し複雑で、未検証の技術の組み合わせであることをすぐに理解しました。 したがってまずは実現可能性調査を行うことが決定され、私たちに業務が依頼されました。 

実現可能性調査は一方では、Hexagonの技術しい必要な精度が達成されるかどうかに注目しました。 また、他方では、私たちにとって、ヒューマン・マシン・インタフェースの機能のより広いパラメーターと、必要なタイプの統合についての考えを発展させる期間となりました。 

最初はなにも定義がなかったのです。 これは大きなプロジェクトで、仕様は「測定できるシステムを提供してください」というものでした。 いくつかの詳細はありましたが、最初はこうしたものでした。 他の大きなプロジェクトに参加したことがありますが、そこでは、どのネジを使うべきかに至るまで、ほとんどすべてを説明した大きなドキュメントが渡されました。 しかし、このプロジェクトはより自由度の高いものであり、非常に刺激的かつ挑戦的でした。 彼らは私たちのコーヒーマシンの原理、つまりオペレーターレベルでは非常にシンプルである必要があるシステムを提供するというアイデアを気に入ってくれましたが、そのシステムがどのようなものであるかは非常に自由に定義することができました。 

シーメンスガメサにはどのようなシステムを納品しましたか？ ご担当の業務の部分はどのようなものでしたか？ 

私たちが行ったのは2つのものを作ることでした。 一つ目には自己測定セルを作りました。 これが納品物です。 3DArenaおよびAbsolute Trackerシステムのキャリブレーションを自動的に行なうことができるロボットでセルを作りました。 この自動的なセットアップ・プロセスでは、スタート・ストップ・ボタンを押すだけで作動します。 

ロボットはスケールバーを保持しながら、このプログラムされた複合ルーチンを動作を実行し、3DArenaセットアップが較正されます。 ターンテーブル上で3DArenaカメラを取り付けられており、完全な較正を必要とする場合ロボットの方に向けることができます。またそれ以外の時間は、ステーターと、新しいセグメント測定の前に毎回チェックが行われる視覚的なアラインメント・パネルの間を前後に回転します。 これはHexagonおよびシーメンスガメサエンジニアによって定義されたプロセスでした。私たちは必要としたものを実行する自動システムを生産しました。 

二番目はソフトウェアです。全過程のヒューマン・マシン・インタフェースであり、オペレーターへの直接のインタフェースです。 私たちはこの全体のソフトウェアレイヤーを構築しました。これはチームが以前にエクセル手作業で行っていた、測定算出過程の大部分の作業を内部で処理するものです。 

特にこのプロジェクトのために私たちが作成したものは真のカスタム・ソフトウェア・アプリケーションです。 これは大きな挑戦でした。3DArenaおよびAbsolute Trackerソフトウェア、およびSpatialAnalyzer測定ソフトウェアとの必要なコミュニケーションを行えるようにし、さらに最終のユーザーレイヤーとして、簡素化インタフェースを提供します。 

このカスタム・ソフトウェアでは、オペレーターがステーターとセグメントを配置し「スタート」と音声で指示するだけで作動する完全なプロセスを構築しました。 最初の測定を行うと、ソフトウェアが必要な調節をオペレーターにガイドします。そして次の測定、その次の測定に円滑に進むことができます。 3DArena-Absolute Trackerシステムの測定はリアルタイムで実行され、すべてが高速です。 システムは、オペレーターのあらゆる混乱を回避するため、非常にシンプルなインタフェースで、常に使用の準備ができています。 これは私がコーヒー自動販売機原理インタフェースと呼ぶものです。 

まさにシーメンスガメサで求められていたものですね。 

クライアントはHexagonとARGONの両方に非常にご満足いただけたと思っています。 Siemens Gamesaにとって、タービンのエアギャップは、重要なパラメーターの1つであり、これはタービンの性能が左右される戦略上非常に重要なプロジェクトでした。 

以前は、ただ測定するだけだったので、非常に時間がかかりましたし、測定の信頼性もあまり高くありませんでした。 現在ではより迅速で信頼できる測定が可能になっていると思います。 また、私たちは他のプロジェクトでもSiemens Gamesa チームと協力し、生産プロセスにこの計測支援アセンブリ概念を導入しています。 

これをサクセスストーリーと呼ぶことができると思います。