まったく新しいレベルのレーザースキャン効率

北東オンタリオ公立教育委員会(CSPNE)は、オンタリオ北部にあるノースベイ市に本社を置くフランスの学校委員会です。彼らは、この地域のフランス語圏のコミュニティのために、幼児教育から大学の学位取得まで教育サービスを提供しています。彼らが管理する学校は、最北端の県道11号線沿いの、ハーストの町まで点在しています。近年の急速な成長に伴い、CSPNEは現在の建物を最大限に活用する必要に駆られ、その結果、増加する需要に対応するためにポータブル教室を使用することになりました。

建物を拡張する計画が立てられましたが、CSPNEは、学校と管理棟のデジタルツインがあれば、そのプロセスを最適化できることに気づきました。そこでDCMSは公開入札を経て、2021年8月に、8日間で建物ポートフォリオ全体をデジタル化するという業務を、CSPNEに依頼されました。2018年に設立され、2年後に Leica RTC3603D レーザースキャナーとLeica BLK360 G1イメージングレーザースキャナーを導入した同社は、リアリティキャプチャ技術で多くの素晴らしい実績を積んできました。彼らのチームはRTC360を用いて、大規模なプロジェクトに自信を持って取り組めました。DCMSチームからドローンパイロット、LiDARスペシャリスト、バーチャル訪問技術者の3名が派遣され、学校の建物をキャプチャしに行きました。




1台のスキャナーで1日2校のスキャニングを実現


合計で53,000平方メートルを超える15の学校には、新しい立ち合い業務が再開される前にキャプチャする広い敷地がありました。DCMSチームは1日10時間以上休むことなく業務に取り組み、CSPNEが立ち入りのために調整した管理スタッフと連携してすべての建物をスキャンしました。DCMSチームは、RTC360で業務を完了するのに1日あたり250 ~ 300回のセットアップを行いました。バッテリー4本セットは、それらを交代交代に使用してRTC360を一日中稼働させるために使われ、非常に重宝されました。DCMS用の2つの256 GBリムーバブルジャンプドライブは、スキャン続行中に同時にデータをアップロードできるため、同様に重宝なものです。レーザースキャンを継続することにより、技術者はRTC360とその能力で大いに助けられました。

「現場の仲間と一緒に仕事をするのは刺激になります。早起きして、夜遅くまで、楽しみがいっぱいです。...私たちはライカRTC360に「ルイ」と名付けました。ルイは戦場の兵士のように、何があっても辞めない、頼もしい男で、本当に感動しました。とDCMSのプリンシパルAEC 事業部のAlberto Palomino氏は述べています。

一部の部屋は最初のスキャン時に使用中だったため、 DCMSチームによる再訪問と再撮影が必要でした。Leica Cyclone FIELD 360モバイルアプリは非常に便利であることが証明されました。RTC360内にVisual Inertial System(VIS 技術)が付随するため、キャプチャされたデータをCyclone FIELD 360と1つのデータセットに組み合わせることは、非常に簡単です。RTC360の位置を変え、学校のスキャンを完了させてから、キャプチャしたデータを送信して処理するのに役立ちました。

「Cyclone FIELD 360モバイルアプリは、使用中の建物をスキャンするときに大変便利です。片方の棟に行った後、反対側の棟に行く場合もあります。Cyclone FIELD 360を使って、同じプロジェクトの独立したデータのクラスターを整理し、グループとして再配置し、現場で直接配置することができました。ビデオゲームの感覚でできるのも魅力です」とDCMSパートナーのAntonio Tomecich氏は語っています。


 

大規模プロジェクトのデジタル化


チームは学校や行政機関のすべての建物をスキャンし、チームがアクセスできるように継続的にデータをアップロードしました。キャプチャされたデータをアップロードした後、ペルーのリマにいるDCMSチームはそれを使用して1か月半で成果物を作成しました。このタスクでは、さまざまな種類のファイルを読み取り処理できるため、Leica Cyclone REGISTER 360オフィス用ソフトウェアを使用しました。Cyclone REGISTER 360の使いやすいインターフェースは、より効率的な作業を可能にし、大きなデータセットの高い処理速度はDCMSにとって大きなメリットとなりました。データ処理後、データはE57またはRCPファイルとしてエクスポートされ、その後Autodesk Revitにインポートされ、学校および管理棟の3Dモデルが作成されました。

データを処理して成果物を作成した後、モントリオールのDCMSチームは品質管理を行い、成果物をCSPNEに送信しました。CSPNEは、建物の3Dモデルによって、インフラの将来の拡張を可能な限り正確に計画するために必要なすべての情報を入手しました。新しい建物の設計や計画を、信頼できる正確な現況データに基づいて行うことができ、より簡単かつ効率的になるため、CSPNEのこの投資は不可欠でした。

今回のプロジェクトを見て、Palomino氏はこう述べています:「建物をスキャンし、デジタルツインを作成するプロセスはとても効率的になりました。わずか8日間で15校をスキャンし、適切なツールを用いてわずか1ヶ月半ですべての建物の成果物を作成できました。」