HexagonとJSOLが戦略的提携を締結
6 December 2023
HexagonとJSOLが戦略的提携を締結、バーチャルプロトタイピングによるEVパワートレイン設計の加速を目指す
Hexagon Manufacturing Intelligence部門(Hexagon)と株式会社JSOL(JSOL)は、12月6日 JMAGユーザーカンファレンスにて、電動パワートレイン開発に革命をもたらす戦略的提携を締結したと発表しました。この提携の目的は、マルチフィジックスによる電動パワートレインの開発における仮想試作(バーチャルプロトタイピング)のプロセスを加速させることです。バーチャルプロトタイピングとは、実際に物理的なプロトタイプを作る前に、コンピュータシミュレーションを使用して製品の設計と性能を評価するプロセスです。
この提携により、広範囲なHexagonのエンジニアリングシミュレーションソフトウェアとJSOLのJMAG電磁界解析ソフトウェアが組み合わされます。この組み合わせは、自動車や航空宇宙輸送を含む多くの産業が急速な電動化を進める中、部門横断的なチームとして必要なコンポーネントレベルの設計選択、システムレベルの性能に与える影響を把握するために、より正確で効率的な設計選択を可能にします。特に、耐久性、効率、熱管理、そして騒音や振動などの問題を解決するために、コンポーネントレベルからシステムレベルまで多様な物理的現象を理解し、シミュレートすることが可能です。
HexagonとJSOLは、より高度で正確なシミュレーションツールを使用して、電動パワートレイン設計を早く、安く、そしてより効率的に行えるようにするために協力しています。これにより、物理的なプロトタイプを作成する前に、設計のあらゆる側面を詳細にテストし、最適化できるようになります。
Hexagonの設計・エンジニアリング事業部のゼネラルマネージャーを務めるMahesh Kailasam氏は次のように述べています。「電動化への動きが加速する中、コンポーネントからシステムレベルに至るまで、車両性能特性を向上するための新たな課題に取り組む必要があります。例えば、騒音・振動・ハーシュネス(NVH)性能改善には、より高い周波数帯域に対応できるシミュレーションソリューションが必要です。JSOLとのパートナーシップは、この急速に進化する市場において、既存および新規のお客様にサービスを提供するという当社のコミットメントを確固たるものにします。」
JMAGビジネスカンパニーの最高技術責任者(CTO)の山田隆氏は、「電動化への取り組みにおいてHexagonと協力できることを嬉しく思います。このパートナーシップにより、JMAGとHexagonの主力製品であるMSC NastranやAdams、そしてRomaxやActranとの間で、電気自動車のNVHソリューション開発を迅速に行うことができるようになります。」とコメントしています。
市場で優位に立つために、電動パワートレインは、新しい設計、材料、製造技術を使用して、非常に効率的かつ軽量である必要があります。HexagonとJSOLは、エンジニアが先進的な電動パワートレイン技術を開発するためのデジタルプラットフォームとバーチャル環境を提供します。
このパートナーシップにより、いくつかの主要分野において、電気自動車の製品設計戦略を強化し、より効率的で調和のとれた製品開発が可能になります。主な焦点はNVHへの対応で、エンジニアは革新的なシミュレーションベースの設計検討によって製品の快適性を向上し、騒音を低減することができます。さらに、高度なシミュレーションを開発することで、新しいソリューションは、堅牢で耐久性のある設計を提供し、空間の制約内で製品を完成させるための改良を行います。両社のもう一つの重要な焦点は、異なる分野のエンジニア間のコラボレーションを促進する統合ソリューションにより、お客様が最新の電気機械、制御装置、ギアボックスの複雑さの検討を支援することです。
Powersysは、電気自動車とグリッドアプリケーションの設計とエンジニアリングソリューションの世界的プロバイダーであり、その専門知識を活かして、お客様がこれらのソリューションの導入を加速できるよう支援します。Powersysの創設者兼社長であるOlivier Toury氏は、次のようにコメントしています。「JMAGとの協業により、Hexagonのポートフォリオを活用してお客様にeNVHおよびバーチャルプロトタイピングソリューションを提供できることを嬉しく思います。Romax、Adams、Actran、MSC Nastranによる信頼できるシミュレーションをJMAGと連携することで、お客様は電気自動車のゼロプロトタイピングに向けて実際に前進することができ、当社はすでにお客様との商談で忙しくなっています。」
Hexagonは、コンセプトから最終システムの検証とレビューに至るまで、NVHコンピュータ支援エンジニアリング(CAE)を幅広くサポートしています。例えば、システムモデリング用のElementsソフトウェア、Romaxパワートレインシミュレーション、Actran音響シミュレーション、Cradle CFD(数値流体力学)流体シミュレーション、ODYSEE AI(人工知能)および最適化プラットフォーム、VI-GRADEとの物理シミュレーションパートナーシップなどが挙げられます。
JMAGについて
JMAGは、電気機械設計・開発のためのシミュレーションソフトウェアで、1983年のリリース以降、多くの企業、大学の製品開発に貢献しています。
機器内部の複雑な物理現象を正確にとらえ、高速に解析します。モータ、トランス、アクチュエータ、センサーなどの電子機器やパワーエレクトロニクスの製品開発・設計ツールとして利用されています。
https://www.jmag-international.com/jp/
株式会社JSOLについて
株式会社JSOL(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:永井健志)は、ICTコンサルティングからシステムフレームワークの構築・管理まで一貫したサービスを提供し、生産・流通、サービス、金融など様々な業種のお客様に、IT投資を最大限ご活用いただくためのICTサービスコーディネーターです。
2009年1月、株式会社エヌ・ティ・ティ・データとの業務・資本提携に伴い、社名をJSOLに変更しました。エヌ・ティ・ティ・データグループ、三井住友ファイナンシャルグループの一員として、より幅広いニーズに対応できるよう進化し続けています。
https://www.jsol.co.jp/
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Hexagonのテクノロジーは、生産と人に関連するエコシステムを形成し、接続性と自律性を高めることで、発展性のある持続可能な未来を創造します。Hexagon Manufacturing Intelligence事業部は、設計・エンジニアリング、生産、計測に至るまでデータを活用したソリューションを提供し、お客様のスマートな製品製造を支援します。
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Hexagon(ナスダック・ストックホルム HEXA B)は、50カ国で合計24,500人以上の従業員を擁し、純売上高は約54億 ユーロです。詳細は hexagon.com をご覧ください。また@HexagonABをフォローしてください。