Hexagon、複雑化する製品設計をシステムレベルのモデリングで支援するソフトウェア「Elements」を発表
1 12月 2022
【プレスリリース翻訳版、英国、コブハム発 2022年12月1日】
HexagonのManufacturing Intelligence division(Japan region:東京都千代田区、代表取締役社長:今野ソックス真生、以下Hexagon)は、HexagonのManufacturing Intelligence部門は、ますます複雑化する製品システムの挙動の把握に役立つ新しいシミュレーションソフトウェア「Elements」を本日発表しました。このソフトウェアを使用することにより、新しいデザインコンセプトの性能と実現の可能性を迅速に評価し、より効率的な製品開発とリスク回避やコストの削減を図ることができます。Hexagonでは、マルチボディダイナミクスソフトウェア「Adams」および制御およびシステムシミュレーションソフトウェア「Easy5」とのSmartFMUにおける接続を提供します。
Elements は、統合された複合領域のシステム開発とエンドツーエンドのワークフローに対する重要性の高まりに対応しています。あらゆる産業のお客様が多くの物理的な領域を考慮し、メカトロニクスの課題に堅実に取り組む技術を求めており、システムレベルのエンジニアリングを目指す傾向が強まっています。これらに対応するためには、関連するすべてのエンジニアリング分野、制御システム、およびサードパーティサプライヤーシステムを統合し、各分野がどのように相互作用し、ある分野の設計決定が他の分野にどのような影響を及ぼすかを理解する必要があります。
システムエンジニアは、Elementsを簡単に使いこなすことができます。電気、油圧、機械部品など、要素の種類にかかわらず、ドラッグ&ドロップで直感的にブロックを接続することで、様々な物理モデル、ロジックをシステムとしてモデル化することができ、システム全体を解析することによりシステムレベルの問題を解決することができます。Elementsは、高速で柔軟かつカスタマイズ可能なモデルを構築するためにオープンで広く使用されている標準規格のModelica言語をベースにしています。
ほとんど情報のない設計初期段階においては、システムモデリングが不可欠です。設計初期段階では、CADモデル、方程式、ルックアップテーブルがあれば十分な場合が多く、3Dメッシュを必要としません。Elementsを使用することより、このような情報のみで現実的なシステムレベルのモデルを作成し、高速かつ効率的に計算することができるため、開発を加速させることができます。
設計が進み、コンポーネントやサブシステムが専門的なシミュレーションソフトウェアで詳細化された場合であっても、FMIの規格やHexagon独自のSmartFMUに準拠することにより、コンポーネントをより大きなシステムに統合することが可能になります。
SmartFMUは、Hexagon製品がサポートするFunctional Mock-up Unit(FMU)であり、SmartFMUを作成した製品のモデルを直接変更することができるため、専用のCAEソフトウェアやそのユーザーに手戻りすることなくElementsのシステムレベルのモデルを直接変更することが可能です。またこれにより、リソース不足や多くの時間を必要とするアプリケーション間の切り替え、バージョン管理の問題を回避することができます。
Hexagonのロードマップでは、クラス最高のCAEテクノロジーをElementsで簡単かつ生産的に使用できるようにする予定です。当初はマルチボディダイナミクスソフトウェアであるAdamsおよびEasy5とのSmartFMUにおける接続を提供します。今後は、熱流体解析ソフトウェアのCradle CFDや音響シミュレーションソフトウェアのActranとの接続を提供する予定です。
標準のFMI及び新しいSmartFMUを使用することによって、いずれもすぐさま価値を見出すことができ、電動化が進む交通機関などの複雑化する課題に対処することができます。例えば、
- eDriveの設計、回生ブレーキ、クライメートコントール、ADASの安全要件やバッテリーの選択などを含め、様々な走行条件下での車両のエネルギー効率を考慮した航続距離を最適化するソリューションを提供します。
- マルチボディダイナミクスシミュレーションを活用し機械システムの振動や詳細な相互作用を考慮した制御システムを設計することにより、産業用ロボットの柔軟性と精度を向上させます。
- 離着陸時の電力消費、安全性、熱管理システム制御の理解を支援することで、新しいeVTOL航空機の設計において重いバッテリーシステムを適正なサイズにすることができます。
- 高温でのリチウムイオン電池の性能向上と、加熱による電池劣化の影響をバランスよく考慮した制御システムを設計し、より安全が持続可能で長寿命な電池システムを実現化します。
Hexagonの設計・エンジニアリングソフトウェア担当General Manager、Mahesh Kailasamは、次のように述べています。「Elementsのシミュレーションは、リソースを大量に消費するエンジニアリングプロセスに設計を委ねる前に、エンジニアがシステムの挙動を迅速に把握し、問題に対するより良い解決策を見出すことを容易にします。Maplesoftの強力でオープンな技術基盤を活用して、当社の幅広いHexagon CAE環境のポートフォリオとの相乗効果を実現し、お客様に価値ある機能を提供できればと思っています。Maplesoft との長期的なコラボレーションを楽しみにしています。」
Elementsの詳細については、https://hexagon.com/products/elementsをご覧ください。
※すべての商標は、それぞれの所有者に帰属しています。
Maplesoftについて
Maplesoftは工学、科学、数学用高性能ソフトウェアツールのリーディングプロバイダーです。Maplesoft Engineering Solutionsは、システムシミュレーション、計算管理、システムエンジニアリングのための高度なツールとサービスを提供し、顧客がプロジェクトを迅速かつ成功裏に完遂できるよう、エンジニアリングの知識を最大限に活用する支援を行っています。Maplesoft製品群には、世界で最も強力な数学エンジンであるMaple、エンジニアリング計算のための数学ソフトウェアMaple Flow、先進のシステムレベルモデリングおよびシミュレーションツールMapleSim、要件管理に対するモデルベースのシステムエンジニアリングアプローチをサポートするMapleMBSEがあります。Maplesoftの製品とサービスは、機械設計、ロボット工学、航空宇宙、自動車、工業オートメーションなど、エンジニアが複雑な課題に直面する多くの分野で利用されています。Maplesoftは、Cybernet Systems Co. Ltdの子会社です。
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