Hexagon、スーパーコンピュータ「富岳」上で商用CFDソフトウェアによる大規模並列計算を実施
23 6月 2021
Hexagon Manufacturing Intelligence (Hexagon MI)のグループ会社であるエムエスシーソフトウェア株式会社(代表取締役社長:加藤 毅彦、本社:東京都千代田区 以下MSC)と株式会社ソフトウェアクレイドル(代表取締役社長:芝原 真、本社:大阪府大阪市以下クレイドル)は、本日、国立研究開発法人理化学研究所が運用するスーパーコンピュータ「富岳」上で、熱流体解析ソフトウェア「Cradle CFD」の「scFLOW」ソルバーを使ったこれまでで最大の192,000コアによる大規模並列計算を実施したと発表しました。
MSCとクレイドルが今回稼働検証を行ったのは、「富岳」の「利用準備課題」として「Cradle CFD」に含まれる非構造格子系熱流体解析システム「scFLOW 」ソルバーを使った航空機周りの遷音速圧縮性流体解析(約2億3000万要素)です。最大で4,000ノード(192,000コア)を使用し、MPIによる48,000プロセスとOpenMPによる4スレッド並列を組み合わせたハイブリッド並列計算の実行を確認しました。Reynolds Averaged Navier Stokes(RANS)方程式による時間平均された乱流の計算だけでなく、より大規模な計算能力を要求するLarge Eddy Simulation (LES)による詳細な乱流の計算についても実施可能であることが確認されています。また、代表的なCFDのアプリケーションである自動車の空力解析(約7,000万要素)では、RANSの定常解析(1,000サイクル)が960コアを利用して約1時間で完了しました。
また、今回の動作検証において、scFLOWが持つ様々な物理モデルの機能もすべて「富岳」および「富岳」の技術を活用した富士通株式会社製のスーパーコンピュータPRIMEHPCシリーズで利用可能であることが確認されました。
なお、この動作検証プロジェクトおよび「富岳」上でのチューニング作業は富士通株式会社様のご協力のもとに実施されました。
富士通株式会社のエグゼクティブディレクター 藤崎 正英氏は次のように述べています。
「弊社は、クレイドル様と協力して、「富岳」および「富岳」の技術を活用したスーパーコンピュータPRIMEHPCシリーズにおいて、「scFLOW」ソルバーの大規模モデル向けチューニングと動作検証を行い、今回の成果を得ることができました。今後弊社は、「富岳」の産業応用に貢献するとともに、製造業などの企業にPRIMEHPCシリーズを販売し、この成果が産業界で広く活用されるよう取り組んでいきます。」
クレイドルの開発部 部長 入江 智洋は次のように述べています。
「今回の検証を通じて、弊社の熱流体解析ソフトウェアがスーパーコンピュータ「富岳」上でも利用可能であることが確認できました。熱流体解析の分野では大規模な計算資源が必要とされる場合が多く、これまでは計算時間の観点からLESの適用が困難だった計算対象にも「富岳」と弊社製品を利用することで挑戦できるようになると思います。「Cradle CFD」は幅広い産業分野で利用されている実績があり、今後の富岳の一般利用拡大にも貢献できるのではないかと期待しています。」
*記載されている会社名および製品名は各社の商標または登録商標です。
**本研究は、HPCIシステム利用研究課題(課題番号:hp200209、hp200302)を通じて、理化学研究所のスーパーコンピュータ「富岳」の計算資源の提供を受け、実施しました。
Hexagonはセンサー、ソフトウェア、自律型テクノロジーを組み合わせたデジタルリアリティのグローバルリーダーです。当社は産業、製造、インフラ、公共部門、モビリティアプリの全域でデータを活用することで効率、生産性、品質および安全性を高めています。
当社のテクノロジーは生産と人に関連するエコシステムを形成し、接続と自律化を拡大し続け、スケーラブルで持続可能な未来を保証します。
HexagonのManufacturing Intelligence 事業部は、設計とエンジニアリング、製造、および計測分野のデータを活用し、製造をよりスマートにするためのソリューションを提供しています。詳細情報は、 hexagonmi.com からご覧ください。
Hexagon (Nasdaq Stockholm: HEXA B) は、50カ国で合計 2万人以上の従業員を擁し、純売上高は約 38 億 EUR です。 ウェブサイト hexagon.com で詳細をご覧ください。またぜひ@HexagonAB もフォローしてください。